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旧東海道を歩こう!川崎宿の見どころガイド

目次

川崎宿の歴史

川崎宿の成立と発展

 川崎宿は、元和9年(1623年)に設立されました。これは、品川宿と神奈川宿の間が長く、伝馬継ぐのが大変な負担だったためです。川崎宿は、旧東海道の宿場町として、特に旅人が利用する重要な場所でした。その立地は多摩川(六郷川)の近くで、川を渡るための渡し船が利用されていました。創設当初は人馬の継立てが主な役割でしたが、次第に宿場町としての機能が整い、発展を遂げていきました。

幕末の川崎宿

 幕末においても、川崎宿の役割は非常に重要でした。江戸への玄関口として多くの大名が利用し、本陣や脇本陣には数多くの宿泊施設が設置されていました。代表的なものとして田中本陣や佐藤本陣が挙げられます。これらの本陣は、大規模な宿泊施設であり、領主や高貴な人々が宿泊するために使われました。多摩川の渡船場は経済面でも重要な役割を果たし、川崎宿の収入源の一つとなっていました。

近代の川崎宿

 近代に入ると、川崎宿も変化を遂げました。特に明治以降の近代化に伴い、旧東海道沿いのインフラが整備され、そこに位置する川崎も新たな局面を迎えます。今日の川崎は、人々が歴史を感じつつ散策できるスポットとして親しまれています。特に東海道かわさき宿交流館などの施設では、川崎宿の歴史や文化が展示され、訪れる人々にその歴史を伝えています。さらに、川崎宿周辺には芭蕉の句碑や稲毛神社、大銀杏など、歴史的な名所が数多く存在し、地域全体が歴史と現在が融合した魅力的な空間となっています。

川崎宿の主要スポット

東海道かわさき宿交流館

  東海道かわさき宿交流館は、旧東海道川崎宿に関する歴史や文化を紹介する施設です。館内には、江戸時代の川崎宿の模型や展示資料があり、川崎宿がどのように発展してきたかを学ぶことができます。また、旧東海道を歩くガイドマップも提供されており、ウォーキングを楽しむ際に役立ちます。この交流館は、川崎宿の魅力を存分に体感できる場所です。

惣左衛門本陣

  惣左衛門本陣は川崎宿の中心的な宿泊施設でした。ここでは江戸時代、大名や公家の宿泊場所として利用され、多くの歴史的な出来事が繰り広げられました。現在は跡地としてその面影を残しており、訪れる人々は当時の雰囲気を感じることができます。川崎宿の歴史を感じるために訪れる価値があるスポットと言えます。

芭蕉の句碑

  芭蕉の句碑は、川崎宿のはずれに位置しており、元禄7年(1694年)に松尾芭蕉が詠んだ「麦の穂を たよりにつかむ 別れかな」という句が刻まれています。芭蕉はこの地を旅の途中で訪れ、この土地の風情を詠んだとされています。この句碑は、川崎宿が持つ文学的な側面を象徴する重要な遺産であり、多くの観光客が訪れその趣に浸ります。

川崎宿の文化と伝統

和中散と川崎宿

 和中散(わちゅうさん)は、江戸時代に薬として広く用いられていた生薬です。川崎宿においても旅人たちの疲れを癒やす効果があるとされ、多くの人々に支持されていました。当時の川崎宿は、多摩川(六郷川)近くに位置し、旧東海道を行き交う旅人たちにとって重要な休憩地点でした。そのため、和中散は川崎宿で特に需要がありました。旅の途中で体調を崩したり、疲労が溜まったりした旅人たちにとって、この薬はまさに救世主のような存在だったのです。

川崎宿の名産品

 川崎宿には多くの名産品があります。その一つが「川崎大師せんべい」です。これは、川崎大師という有名な寺院の参道で売られており、お土産としても人気です。また、「川崎餃子」も名物の一つで、近年では川崎市内の多くの飲食店で提供されています。これらの名産品は、旧東海道を訪れる観光客にも大変好評です。さらに、「大師巻」というのり巻きせんべいも有名で、その独特な風味と食感が地元の人々や観光客に愛されています。このように、川崎宿には多くの魅力的な名産品があり、訪れる人々にとって楽しみの一つとなっています。

川崎宿を巡るウォーキングルート

主要ルートと所要時間

 旧東海道を歩く際、川崎宿を巡るウォーキングルートは特におすすめです。川崎駅から神奈川駅までの徒歩ルートは約9.5kmで、所要時間は約3時間50分です。このルートには多くの歴史的な名所が点在しており、江戸時代の風情を感じながら散策することができます。

 川崎宿の見どころとしては、渡船場跡や田中本陣跡、宗三寺、高札場などがあり、さまざまな歴史的背景をもつこれらのスポットを巡ることができます。また、芭蕉の句碑や熊野神社、一里塚碑なども見逃せません。これらの史跡を巡ることで、旧東海道の歴史と文化に触れることができます。

おすすめ休憩スポット

 ウォーキング中には随所で休憩を取りながら、歴史や自然を楽しむと良いでしょう。まず、東海道かわさき宿交流館はぜひ立ち寄りたいスポットです。ここでは旧東海道や川崎宿に関する展示データが豊富に揃っており、まち歩き用のシートも配布されています。川崎宿の歴史を学びながら休憩することができます。

 他におすすめの休憩スポットとしては、大師燈籠と明治天皇渡御碑の近くの渡船場跡があります。ここは川沿いの静かな場所で、江戸の昔に思いを馳せつつ、ゆったりと過ごすことができます。また、芭蕉の句碑も自然の中で一息つくのに適した場所です。句碑の前で芭蕉が詠んだ句に思いを巡らせながら、心も体もリフレッシュできます。

 このように、旧東海道川崎宿を巡るウォーキングルートでは、歴史的な名所を満喫しつつ、散策と休憩をバランス良く取りながら楽しむことができるのです。

川崎宿探訪のコツ

季節ごとの見どころ

 川崎宿は、四季折々の美しい景色を楽しめる場所です。春は桜の見どころが多く、中でも多摩川沿いの桜並木は圧巻です。桜の季節には多くの花見客で賑わいます。夏には川崎宿付近で開催される川崎大師風鈴市があり、風鈴の涼やかな音とともに夏の風情を楽しむことができます。秋には紅葉が美しく、特に宗三寺や熊野神社周辺の紅葉はおすすめです。冬は少し寒いですが、歴史的な建物や芭蕉句碑を巡ると静寂の中に歴史を感じることができます。

周辺施設とアクセス

 川崎宿はアクセスが非常に便利です。京急川崎駅やJR川崎駅から徒歩圏内に位置しており、どちらの駅からも旧東海道川崎宿へのアクセスが可能です。また、周辺には多くの観光名所があります。ミューザ川崎シンフォニーホールでは、国内外の有名アーティストのコンサートが楽しめますし、川崎市川崎発見館では地域の歴史を学べます。さらに、川崎宿から少し足を延ばすと、川崎大師や稲毛神社などの歴史的な名所も訪れることができます。市内の移動は公共交通機関が充実しているため、観光には便利です。

まとめ

 旧東海道に沿って続く川崎宿は、その長い歴史と文化的背景を持つ魅力的な街です。江戸時代に徳川幕府によって設置され、重要な宿場町としての役割を果たしてきました。旅人が利用するための様々な施設や文化が栄え、特に本陣や渡し舟は宿の経済を支える重要な要素でした。

 現在では、当時の建物や史跡が保存され、東海道かわさき宿交流館などの施設が観光客にその歴史を伝えています。川崎宿を歩いて巡るウォーキングルートもあり、旧東海道の風景と歴史をじっくり楽しむことができます。

 豊かな文化や歴史を背景に持つ川崎宿は、現代でもその魅力を失わずに、訪れる人々を楽しませています。是非、旧東海道を歩きながら川崎宿の多様な見どころを満喫してください。

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